施工事例

 各施工事例の概要と拡大写真を御覧ください。

渓谷(幌萌大橋)
河川(旭川橋)
湖面上(新大間池橋)
鉄道上(石橋上三川高架橋)
直上高架橋(細谷Bi)
道路上(新琴似高架新川架道橋)
曲線橋(横向大橋)
下路桁橋(汐見川橋梁)
中空床版橋(新幹線東Bo)
複合橋(1)(銀山御幸橋)
複合橋(2)(桂島高架橋)
複合橋(3)(鳥崎川橋)
冬期施工(水明橋)
押出し架設後の横取り(岩滑沢橋)
両側からの押出し架設(大平高架橋)

渓谷(幌萌大橋)

  • 発注者:北海道
  • 形 式:3径間連続箱桁橋
  • 竣 工:1973 年12 月

 幌萌大橋は、北海道室蘭市の北部丘陵地に架設された橋梁です。架設箇所が比較的深い渓谷に位置しており、より安全性が高く、施工性の良い架設方法が検討された結果、我が国で初めてPC 押出し工法が採用されました。
 本橋の特徴として、各支間が50mを超えている点を考慮し、押出し時の水平反力に対して安定を保つために、仮支柱を設置して支柱頭部をPC ストランドにて結合し、6 径間連続の状態で押出し架設をしました。また、主ケーブルとして外ケーブル方式を採用することにより、主桁のブロック製作段階での施工をより単純化されています。

河川(旭川橋)

  • 発注者:日本道路公団
  • 形 式:5径間連続箱桁橋
  • 竣 工:1991 年12 月

 旭川橋は、中国横断自動車道岡山米子線の湯原I.C.から約2km米子よりの地点に架設された橋梁で、5径間連続PC箱桁橋です。本橋は、特別天然記念物であるオオサンショウウオの生息する旭川及び国道313 号線を跨ぐために、施工性、安全性、環境保全等を考慮して押出し工法が採用されました。
 本橋の特徴は、4%の縦断線形と曲線の一部との組合せにより、押出し中の最大下り勾配が4.8%となること、押出し方向前方の中空床版橋が完成したため手延べ桁を主桁上面に取り付けて施工したことです。

道路上(新琴似高架 新川架道橋)

  • 発注者:JR北海道
  • 形 式:2径間連続ED橋
  • 竣 工:1999年12月

 新川架道橋は、札幌市北区に位置する新琴似高架の一部として架設された2 径間連続エクストラドーズPC 下路桁橋です。
 本構造形式は、すでに高架化された札樽自動車道上下2連及び国道5 号上下2 連、合計4連の高架のさらに上方を超える必要があるため、全体的な経済性の点から施工基面高を低く抑えるとともに、維持管理・用地限界・景観性・騒音や電波障害等の周辺環境への影響を総合的に判断して採用されました。
 道路横断部押出し施工時は、主桁に作用する断面力を低減するために、通常の手延べ桁以外に仮設外ケーブル、仮設斜ケーブル、及び本斜材ケーブルを主桁の移動状況に合わせて緊張・除荷しました。

鉄道上(石橋上三川高架橋)

  • 発注者:JR東日本
  • 形 式:3径間連続箱桁橋
  • 竣 工:2000年1月

 石橋上三川高架橋は、北関東自動車道が栃木県石橋町~上三川町間で、JR東北新幹線・JR東北本線・JR貨物線と交差する区間に架設された3径間連続PC 箱桁橋です。
 橋長(227.0m)のうち、95.8mを主桁製作ヤードにて製作し、4回に分けて押出し架設をしました。JR区間内の押出し架設は、新幹線の機電停止および線路閉鎖時間帯(150分)におこない、1回の最大押出し長は25.75mでした。

直上高架橋(細谷Bi)

  • 発注者:日本国有鉄道
  • 形 式:7径間連続箱桁橋
  • 竣 工:1980年8月

 東北新幹線細谷高架橋は、東北本線伊達駅構内にあり、下部構造が東北本線の上下線を跨ぐ鋼製受桁という制約がある上、列車本数の多い東北本線の直上を渡るため、より安全性の高い架設方法が検討された結果、PC押出し工法が採用されました。

冬期施工(水明橋)

  • 発注者:北海道開発局
  • 形 式:3+4径間連続箱桁橋
  • 竣 工:2000年8月

 水明橋は、旭川紋別自動車道が上川町でJR石北本線、一般国道333号および一般河川留辺志部川と交差する区間に架橋された3 および4径間連続PC箱桁橋です。
 橋長(R橋:460.0m、L橋540.0m)のうち、R橋の3径間部分(120.0m)およびL橋の4径間(167.0m)に押出し架設工法が採用されました。また、橋台、橋脚に設置する押出し装置は、押出し完了後、本支承として働く兼用沓(KS沓)が採用され、作業の効率化と経済性の工場が図られました。全天候型の主桁製作ヤードは、保温養生が可能な上屋設備を配置し、寒冷地における通年施工を可能としました。

曲線橋(横向大橋)

  • 発注者:福島県
  • 形 式:9径間連続箱桁橋
  • 竣 工:1991年3月

 横向大橋は、一般国道115号土湯峠地内に架設された橋梁です。本線は、磐梯朝日国立公園内に位置し、標高差を考慮した大きく蛇行する線形上にあり、地形・道路線形上の条件、国立公園内としての自然環境への配慮などを考え合わせ、PC押出し工法が採用されました。
 本橋の特徴は、多径間連続桁橋であると同時に平面線形上のアーチ形状を利用し、水平面内でアーチ形状を活用するという特異な構造と、わが国では過去に例のないR=250m、縦断勾配4.8%の曲線橋での押出し施工であり、可とう性橋脚の中で過大な水平変位の生ずる橋脚に対し、補強を施して押出し施工したことです。また、下床版製作ヤードとウエヴ・上床版製作ヤードの2段階製作を採用しています。

下路桁橋(汐見川橋梁)

  • 発注者:JR九州
  • 形 式:4径間連続下路桁橋
  • 竣 工:1987年11月

 汐見川橋梁は、日豊本線日向市・南日向間に位置し、2級河川汐見川に架設された橋長132mの4径間連続PC下路桁橋です。
 本橋は、旧橋(大正10年施工、12連デックガーター)架け換え工事です。レールレベル規約、景観性の考慮等の関係から、床版支間を短くかつ内空を広くした下路桁形式が採用されました。
橋桁を全9ブロック(1ブロック長9m~18m)に分割し、A1橋台側から押出し架設を行いました。また、下部工の荷重負担の軽減、上部工断面力の低減を目的に、橋桁には人口軽量骨材コンクリート(設計基準強度 40N/㎡、W=17kN/㎥)を使用しています。

中空床版橋(新幹線東Bo)

  • 発注者:日本国有鉄道
  • 形 式:3径間連続中空床版橋
  • 竣 工:1984年3月

 新幹線東 Boは、陸羽東線古川駅構内を跨いで架設された道路橋で、桁長95.550mの3径間連続中空床版橋です。
 都市内立体交差部における跨線橋であるため、桁高をできる限り低くする必要があり中空床版橋が採用された。また、中央部80mの区間は縦断曲線R=800mであったため、桁下面の形状を同一円弧(R=800m)として安全性の高いPC 押出し工法で施工しました。

複合橋(1)(銀山御幸橋)

  • 発注者:秋田県
  • 形 式:5径間連続箱桁橋
  • 竣 工:1995年11月

 銀山御幸橋は、秋田県雄勝郡と由利郡の郡境に位置する松の木峠の道路改良に伴って架設された橋長210mの橋梁です。
 本橋の特徴である波形鋼板ウェブとコンクリート床版の複合構造は、下部構造の小型化および上部主桁自重の軽量化のため採用されました。
 架設工法は、通常の押出しに使用する架設用の手延べ桁は用いず、主桁3ブロックのPC上床版を鋼床版に置き換えて補強・軽量化を図り手延べ桁の代用とし、さらに主桁上に設置したピロン柱からPC鋼材で鋼床版部の3ブロックを斜吊りしながら押出しを行いました。

複合橋(2)(桂島高架橋)

  • 発注者:日本道路公団
  • 形 式:4径間連続箱桁橋
  • 竣 工:2005年5月

 桂島高架橋は第二東名高速道路の静岡IC(仮称)と藤枝岡部IC(仮称)間に建設される、橋長216mの4径間連続PC箱桁橋です。
 本橋は、有効幅員16.5mを有する広幅員橋梁であり、リブ・ストラットにより床版を支える構造としています。また、主桁重量の低減を図るべく、箱桁のウェブを波形鋼板としています。
 本橋ではPC押出し工法の合理性を追求し経済性を向上させるため、断面分割架設工法を開発し、張出床版を後施工とした断面にて押出し架設を行っています。

複合橋(3)(鳥崎川橋)

  • 発注者:日本道路公団
  • 形 式:11径間連続箱桁橋
  • 竣 工:2005年5月

 鳥崎川橋は、北海道縦貫自動車道の森ICと落部IC間に建設された、橋長554m、最大支間56mの11系間連続波形鋼板ウェブPC箱桁橋です。
 本橋では、コスト縮減を目的として、従来の押出し架設に用いられる鋼製手延べ桁ではなく、主桁先頭区間を波形鋼板ウェブ、鋼上弦材、および超高強度繊維補強コンクリートの下弦材で構成される構造の手延べ桁を用いた押出し架設を行い、押出し完了後はこの手延べ桁に上下床版を製作して完成形の主桁とする施工方法が採用されました。

押出し架設後の横取り(岩滑沢橋)

  • 発注者:日本道路公団
  • 形 式:6径間連続箱桁橋
  • 竣 工:1996年8月

 岩滑沢橋は、秋田県自動車道の北上西IC~湯田IC間に位置し、和賀郡湯田町の錦秋湖畔に架かる橋長302mの6径間連続PC箱桁橋です。
 本橋の特徴は、桁製作・押出し設備を下り線側のみに設置し、主桁を製作・押出し完了後上り線側に一括して横取り架設と、押出し架設時に外ケーブル(内外ケーブル併用)が採用されたことです。
 主桁の横移動は、押出しが完了した主桁(全長302m、重量65,000kN)を水平及び鉛直ジャッキを使用し、横方向に10.6m 連続して一括移動しました。また、押出し架設時の外ケーブルは、たすき状に配置して軸力を与え、完成時には不要な側の外ケーブルを取り外しました。
いずれも経済性及び合理的な施工を目的にわが国で初めて採用された工法です。

両側から押出し架設(大平高架橋)

  • 発注者:日本道路公団
  • 形 式:13径間連続箱桁橋
  • 竣 工:2006年3月

 太平高架橋は、第二東名高速道路の浜松浜北S.A.付近に位置する橋長833mの13径間連続PC箱桁橋です。
 本橋は、両側からの押出し架設工法による施工で、片側からの押出し架設長490m、押出しスパン64mの国内最大級の橋梁です。構造的な特徴として、外ケーブル方式を採用したウエヴ厚の軽減やリブ付き床版を採用して張出床版を長くすることにより主桁の軽量化ならびに橋脚の縮小化が図られたことです。

湖面上(新大間池橋)

  • 発注者:福岡県
  • 形 式:3径間連続箱桁橋
  • 竣 工:2017年3月

 新大間池橋は、主要地方道筑紫野古賀線(須恵町・粕屋町工区)のバイパス整備工事の南側起点に位置する農業用貯水池である新大間池を渡る橋長175.0mのPC3径間連続2室箱桁橋です。本橋の架設工法は、架設位置上空に高圧線が架空されているために上空作業に制約を受けることと、施工時における新大間池の水質汚濁などの阻害を最小限にする必要があることなどからPC押出し工法が採用されました。
 本橋は平面曲線と縦断曲線を有する線形条件に加えて、15.90~18.65mの幅員変化を有しているため、高精度な押出し架設管理が必要でした。